福崎町の古民家再生プロジェクトは天気にも恵まれ、現場がどんどん進んでいます。今日は、配筋の様子を見て頂きます。
とは言っても、昔の家には、現代では当たり前の基礎そのものが存在しないので、それに代わるものを一から作っていく必要があります。配筋は、そのための下準備にあたります。
基礎や、その中にある鉄筋は目に見えないためか、多くの古民家リノベーションの現場では後まわしにされているようですが、やはり建物を長く使う上で、また、安全性を考慮してもとても大切な部分です。お金はかかりますが、しっかりと補強しましょう。
配筋が完了して、この状態でコンクリートを流し込むと構造的に有効な床ができあがります。さらにその上に、土台を敷いて、金物で補強します。
古民家を扱うには、相応のノウハウが必要であり、とても手間がかかります。多くの工務店さんが嫌がる分野でもありますが、やはり、こういう案件だからこそ面白いと思える方たちと仕事がしたいものです。
大変ということでは、施主様にとっても同様だと思います。簡単に建て替えてしまう方が楽で、コスト的にも安くなることが多いのですが、古民家の再生というのは、そういう損得勘定だけでは計れないものだと思います。既にある大きな空間、丈夫な構造体を上手にいかせば、素晴らしく豊かな空間となって甦ります。何より、その家の、建物の長い歴史が、その家の文化レベルの高さを物語ります。
これだけ大きな梁と柱を支えないといけないので、基礎もしっかりと補強する必要があるのです。
既存の土壁は竹小舞という造りで、下地に縦横に編んだ竹が見えています。とても手がかかっていることは容易に想像できます。
鉄筋のような役割を果たし、
この部分も撤去して、現代の壁の仕様にしていきますが、このように、どこにでもある自然物に下地材としての有用性を見いだす、先人の技と知恵に感服せずにいられません。
蔵の解体も終わり、母屋と同じように補強していきます。外壁の漆喰ははがされ、下地の茶色い荒壁が見えています。
古民家には、このような蔵がセットで建てられている場合も多いのですが、リノベーションするとなると、それなりにお金もかかるので、小さいからと安易に考えず、しっかり予算化しておくことが大切です。
白い漆喰仕上も美しいですが、荒壁のままの姿も素朴な味わいがあって良いですね。このように自然の素材で出来た古民家は、歳月を経て、解体する時でさえもさまざまな表情を見せてくれます。
もう一枚、外壁の下地の状態です。竹小舞とワラが絡み合って土壁が出来ています。この竹小舞の壁というのも、本来はとても丈夫なものであるはずですが、やはりこのような技術を持った職人さんが少ないので、現代的な工法で耐震化するという選択をすることになります。
リノベ後の写真はこちらから!
古民家の再生には、専門的な知識、ノウハウが必要となります。宿泊施設などに利用したい方などのために、企画プロデュースからお手伝いできますので、お気軽にご相談ください。