13坪の最小限の敷地に建てられた都市型狭小住宅。そのなかでどのように自然を感じ、豊かな空間を生み出すかがテーマとなった。
結果、外部に対しては閉ざし、内部に自然を内包する仕掛けを作る事となった。
アプローチは隣地との隙間を利用し、露地のような空間を作った。出入りのためのスペースであることが分かるよう、この部分のみモルタル櫛引き仕上げとし、全体の黒のガルバリウム鋼板と視覚的に差別化している。
雑然とした街並みがさらに雑然とするのを防ぐために色彩はモノトーンをベースに設計を進めた。
玄関を入ると目の前に坪庭が現れる。たった13坪の敷地に設けられたささやかな空間だが、家の中心に配することで家全体にひかりと風をいきわたらせる。
新設した塀の向こうには隣家の窓もなくシマトネリコの背景として適当だ。
階段は下から3段目までは引出しとして使える。
屋根の形状をそのまま内部空間に反映させた2階LDKは仕切りがなく、高い天井を持ち、狭小住宅とは思えない広さを感じさせる。
現しの梁以外は壁・天井ともに再生紙でできた壁紙に自然塗料で仕上げたもの。
この壁紙は和紙のような質感をもつので、私たちは「再生和紙」と呼んでおり、この家のタイトルにもなっている。優しい質感が、木の柱や梁と、とても相性が良い。
階段の手すりはなによりも安全性が優先されるので、しっかりと頑丈な素材であることが重要だが、手の触れる部分は自然素材の暖かみが欲しい。
手すりの上面に無垢の木をかぶせることで、強度と触り心地の両方を満たすことができた。
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